クソアンチ・ラブデストロイ【小説家×拗らせアンチ】
著者:さきしたせんむ|田中浩平は激怒した。かの邪知暴虐たる作家・氷室達臣を除かねばならぬと決意した。包丁をたずさえ、自宅を襲撃し、そして見事に返り討ちにあった。読書とアンチ活動程度が趣味の貧弱な田中の体躯はジム通いで鍛えられた氷室の健やかな肉体を前にして羽虫も同然に叩き潰された。殺人未遂、侮辱、名誉棄損、数多の蛮行は夢にも思わぬ方法を持って贖われた。僅かな尊厳を暴力と快楽によって奪われた田中は本心を吐露し、氷室の興味の対象になる。―――田中は、実は氷室が大好きだったのだ。